『徳島県物産観光交流プラザ “あるでよ徳島”』

 島津臣志建築設計事務所の島津さん、株式会社米田建築事務所の米田さんと一緒に阿波おどり会館1階にある徳島県物産観光交流プラザ“あるでよ徳島”のリニューアルコンペで最優秀をいただき、設計監理を担当させていただきました。(施工:株式会社米田建築事務所)

 10年に1度のリニューアル、徳島県の観光に欠かせない施設、そして「徳島の文化や歴史、暮らし、観光を発信する施設」であることから県産材、県内の職人の手仕事で設える建材を各所に選び、空間のバランスを整えました。

入り口にある門は徳島杉の柱材を使い、空間を仕切る役割、あるでよ徳島を印象付ける役割をもたせました。主要な商品棚は徳島杉でつくり、レジカウンターは木屑をリユースした木粉塗料で左官、天井のルーバーは阿波踊りの2拍子に見立てました。

 改修前の現地調査でクロス、プリント合板の経年劣化がお店の印象をネガティブにしていることに気づき、ならば年を重ねるごとに味わい深くなる無垢材と手仕事を至るところに施して、さらに10年後のリニューアルでは「捨てるのがもったいないから設備更新にコストをあてよう」となってほしいというのが私たちの目論見でもあります。

 3人での設計は初めてのことでしたが、たくさんの刺激をいただき、充実した仕事になりました。また、あるでよ徳島で働くスタッフの熱意に応えることができていたらとても幸せなことです。

『​鳴門の家』

 

​ 昭和58年に建てられた住宅のリノベーションです。地方の長閑な住宅街でお隣さんとの間隔も広くのびのびした場所にありました。

 中を拝見させていただくと、くつろぐ場所より通路が広く床が暗い印象を受けました。リビングが南北に深く、カウンター越しのキッチンの半分は食器棚で塞がれ、玄関→キッチン→リビング→寝室の4つの空間が南側に向かって(うなぎの寝床状態で)配置されており、晴れた日でも照明が必要なほどでした。

 クライアントとじっくり話をしていると、コンセプトを考えルールを決めてしまうより、この家の大事にしていることをきちんと理解し残しながら、「心地よい」と思える空間に変えていこうと思えました。歪んだ骨格を整体師が丁寧に正しい位置に戻すようにひとつひとつ設計を積み重ねていきました。

 耐震改修も兼ねていたため基礎・躯体・屋根の下地を残し解体しました。外壁は窯業系サイディングからガルバリウム鋼板に貼り替え、基礎はクラック補修しモルタルで保護しました。​床下は土の上に土間コンクリートを打ち湿気があがらないよう対策を施しています。

 まだまだ使えそうなドアや家具は丁寧に外し工場に持ち帰って補修。造り付け家具の天板をコタツに改造するなど愛着のある品を余すところなく利用しました。

 元々のプランの問題から吹き抜けを取るのが困難だったので下屋の一部をあらわしにして空間にリズムをつけました。

 クライアントが気に入っていたのは大きなキッチンと平屋として生活が完結するところ、西側に向いた広々とした和室でした。そこで機能と自然光の関係を見直し、明るいところ暗いところを明確に分けつつ、常に視線の切れない連続した空間に配慮しました。

『水元の家』

 東京都内の下町に「いくつか土地の候補があるので見て欲しい」との連絡を受けたのが始まりでした。どれも約20坪ほどの土地でしたが建てられるスペース、法規、予算、要望などを勘案しこの土地を勧めました。はじめにご夫婦の生活に対してのイメージをお聞きしていたのでこちらが勧めやすかったように覚えています。

 ほぼ長方形の形に​整ったこの土地に半地下かつ1階リビングの提案をしました。『林のなかの窪みに腰掛け木立を見上げる』感覚を空間に落とし込めたら、狭さもさほど感じないだろうしむしろ広々暮らせる気がしたのです。

 無駄なモノは置かないクライアントの感性も手伝って、家に包まれているような感覚を得られる可愛らしい住宅を設計することができました。

『hair atelier KANAMORI』

 

倉庫の一角を改装した10坪ほどの美容室。

床、壁を左官で整え、​天井をはがして梁をむき出しにしてから裸電球と植物を吊り下げてにぎわいを出しました。

「素材の雰囲気が好き」だと言うクライアントの要望に、共感しながら楽しく設計させていただきました。