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『松茂の古民家

 松茂町の阿波おどり空港近くに100年以上前に建てられた木造家屋の再生のご依頼をいただきました。早速現地に赴き各部屋の保存状態を確認しながら調査を進めていると、2階の大黒柱の頭上に棟札が。「明治38年上棟」。今から120年前の1905年に建てられたことがわかりました。8寸ある大黒柱や重なり合う地松が当時の吉野川を渡って届けられ、日露戦争終結のその年に棟上げされた建物であることがわかりました。

 

 主な工事内容は3つ。耐震改修、一部をお菓子の店舗に用途変更、住宅部分の補修。屋根のセメント瓦を軽い鋼板に葺き替え、基礎や耐力壁を施工し基本的な長寿命化を計りました。お菓子の販売は調理室と販売スペースを確保し、古い構造体を見せるようにし、小窓でお菓子の匂いが充満するようにしました。住宅部分は壁表面に塗装、床の張替えを実施し住みやすい状態に持っていくことになりました。

​ 120年の月日の中で家族の成長と死を見守りながら、一時は主人がいない状態がありましたが、再稼働することになったこの建物、長く愛されるように新築を設計することもそうですが、古い建物を大事に使い続けるための設計は貴重な経験になりました。

施工/米田卓司建築事務所

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村上真建築設計事務所
MURAKAMISHIN.ARCHTECT
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